厄介な雑草【スギナ】の特徴と対策について
スギナはとても生命力が強い雑草で、草刈りをしてもまた生えてきてしまいます。そんな厄介な雑草のスギナ除去には、除草剤を使用するのがお勧めです。
ここではお勧めの除去方法と間違っている除去方法についてお話します。
弊社は人工芝の会社ですが、人工芝を敷きたいと考えられているお客様からスギナの除去についての相談を受けることがあります。実際お庭の状況によっては人工芝を敷く前に、除草剤を撒き、対策します。
スギナとはそもそもどんな植物なのでしょうか。
スギナはシダ植物門トクサ綱トクサ目トクサ科トクサ属の多年生難防除雑草です。
特徴としては涼しい地域に多く発生しやすいと言われています。
春になると胞子茎を出します。これを【つくし】と呼び、胞子茎が枯れると栄養茎が伸びてきます。この栄養茎のことを【スギナ】と呼びます。スギナは非常に繁栄力が高い植物です。
3つの繁殖方法を持ちます。
- 胞子の飛散
胞子茎(つくし)が枯れた後、地下茎から栄養茎(スギナ)が成長し地面に小さな緑色の葉っぱを広げます。
- 根茎が伸長する
根茎は地下30cmほどのところで育ち、夏~秋にかけて伸びていきます。
- 塊茎が伸長する
根茎は地面の上に栄養茎(スギナ)と呼ばれる葉を伸ばし、光合成を行い栄養分を作ります。また、コブ状の塊茎が形成され、その塊茎にはデンプンを主とした養分が作られて、横方向だけでなく縦方向にも根茎を成長させます。
地上にある胞子茎(つくし)や栄養茎(スギナ)を刈り取って除草をしたとしても地下茎根茎や塊茎が地下に残っているのではしっかりと防除したとは言えないでしょう。
今回はそんな厄介なスギナの適切な除草方法についてお話します。
【間違ったスギナの除草方法】
間違った除草方法①
スギナ対策として、石灰を使って土状態をアルカリ性にするというやり方が、検索すると出てきます。一般的な植物が成長しにくい酸性の土で、スギナが発生しているを見て【スギナは酸性の土に合っていて酸性の土を好む】と思い込み、デマ情報が流れたようです。
しかしスギナは中性に適していて、アルカリ性が苦手、アルカリ性のところで育たないというわけではないのです。そのため、スギナ対策に石灰を撒くことは意味がありません。
間違った除草方法②
手っ取り早く除去したいという理由で根を掘り起こすことはよくないでしょう。
例えば耕うん機を使って根を一気に掘り起こすと、ちぎられた根茎を撒き散らしてしまうことに繋がります。切断されると分裂して増える性質があるため、より増えてしまう恐れがあります。
間違った除草方法③
熱湯をかけるという方もいますがお勧めしません。
確かに、熱湯をかけられた葉っぱはその部分が枯れますが、肝心な地下茎や根っこまでは枯らすことができません。
間違った除草方法④
塩を撒き除草する方も見えますが、塩は土の中で分解されません。そのため半永久的に除草効果が持続します。しかし雑草以外の木や花、野菜や果物、穀物などの作物が育ちにくくなってしまいます。周りの植物に影響が出てしまっては本末転倒です。
【あまり効果がない方法】
防草シートを敷くことによって完全にスギナの発生を抑えることができると思われている方も多いですが、スギナはとても生命力の強い雑草のため、防草シートだけでは完全にスギナの発生を抑えることはできません。
スギナは、根っこで繋がって増殖するため防草シートの下で増殖したり、安価な防草シートだと防草シートから突き破って出てきてしまうこともあります。
※下記写真参照
【スギナの除去が厄介な理由】
《寒さに強い雑草である》
スギナは多年草で季節をまたぎ数年に渡り同じ株から草花を咲かせる植物です。
また非常に寒さに強いです。冬期には地下茎が地中で生き残り、春になると地上に出てきす。
《地下茎(根茎)は切断されると分裂して増える》
先ほど述べたようにスギナは切断されると分裂して増えます。
根っこ全体を取り除かなければなりませんが人力では不可能でしょう。
また機械を使ったとしても、切断しないようにしなければならないので難しいといえるでしょう。
《胞子が飛ぶと増える》
胞子で増えるという性質があります。
胞子を飛ばさないように除草剤をつかった後に胞子が飛ばないように刈り取るようにしなくてはなりません。
スギナを完ぺきに刈り取りたいのであれば除草剤を使用することをお勧めします。除草剤には2種類あり、地面に撒いて雑草の発芽を抑えたり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに成長している雑草の葉や茎に直接撒いて枯らしてしまう「茎葉処理剤」があります。多くの人の悩みは今すでにあるスギナの除去についてだと思うので、後者の「茎葉処理剤」がおすすめです。
「茎葉処理剤」のなかでも葉っぱを中心に枯らすもの(グルホシネート系など)は速い効果が期待できます。
根っこや地下茎まで全部を枯らすもの (グリホサート系)は根本から除去できます。
ただし使用する時期を考慮しましょう。
おすすめはスギナが地上にまで葉を伸ばしている春から秋に使用することです。
除草剤を使う際はマスクと手袋を用い、手などにかかったり薬剤を吸い込んだりしないように十分に注意しましょう。
スギナは生えている葉っぱよりも地面にある地下を完ぺきに枯らすことが大切なので、地下部の根や地下茎まで薬剤が行きわたり全部枯らすことのできるグリホサート系の葉茎処理剤を使いましょう。
デメリットとしてはグリホサート系の除草剤は「移行型」の除草剤なので、撒いてから除草効果を発揮するまでに時間がかかります。すぐに枯らしたいと考えている方には不向きかもしれません。
また時期的に地上に葉が出ていないスギナの除去には粒剤を使用しましょう。これは粒子状の薬を土にまき枯らす除草剤です。メリットとしては液体を手などにこぼしてしまったり、撒いたときに誤って吸い込んでしまったりする危険性がないため、安心して使うことができます。また、スギナの地下茎を枯らせる効果も十分にあります。
お勧めの除草剤
◎ラウンドアップマックスロード
スギナが出はじめたころから最盛期を過ぎた時期までの比較的長い間、除草が可能です。
また根っこ部分まで確実に枯らすことができます。
◎ネコソギパワー粒剤
細かい粒子の除草剤です。除草効果がとても長く、撒くタイプで使いやすいです。だいたい1~2週間で枯れ始め、1か月でだいたい枯らすことができます。成分が土の中に一定期間とどまってくれるため新しい雑草の発生を防ぐことができます。
◎サンフーロン
サンフーロンは根っこまで枯らすことのできるグリホサート系除草剤です。
根が残っているとまた生えてきてしまうスギナの除去におすすめです。
ほぼ全ての雑草を枯らすことができます。ほかに人気のあるラウンドアップという除草剤もありますが、サンローランのほうがラウンドアップよりも安価で手にしやすい除草剤です。
グルホシネートなどの除草剤は、塩を使った除草方法と違い、土の中で安全に分解されるので安心です。しかしデメリットとして効果は長く続きません。
完ぺきにスギナを除去したい方は、除草剤を撒いた後に防草シートを貼ると良いでしょう。
防草シートを張っただけだと殺風景に思われるかもしれません。
見た目を気にする方は人工芝を防草シートの上から敷くと華やかにおしゃれになるので近年人気が出てきています。