サッカー場や野球場などのスポーツ施設において幅広く採用されている人工芝ですが、いくつかの種類に分けることができます。
人工芝の大きな分類として「ロングパイル人工芝」、「ショートパイル人工芝」、「砂入り人工芝」の3種類があります。
なかでも「ロングパイル人工芝」はプロスポーツ向けに追求されており、その構造や施工方法は高度で専門的な技術を用いています。
今回の記事では、「ロングパイル人工芝」の特徴と施工方法について、またその他の人工芝との違いについても詳しく解説していきます。
人工芝の種類と特徴について
家のお庭や店舗、スポーツ施設など、日常で当たり前のように目にする人工芝ですが、用途に合わせて種類が異なります。
人工芝の中でも代表的な「ロングパイル人工芝」、「ショートパイル人工芝」、「砂入り人工芝」の3種類について、それぞれ特徴を見ていきましょう。
ロングパイル人工芝
ロングパイル人工芝は、その名の通り芝が5~7cmくらいあり、パイルが長いことが大きな特徴です。
パイル間の隙間部分には砂やゴムチップなどの充填材の層があり、この層がクッション性を高めスポーツ時の衝撃を効率よく吸収します。
これらの構造がひざなど身体への負担を軽減する役割を担い、ケガ防止に貢献します。
また、見た目や質感が天然芝に近いということもあり、非常に「緑の美しい競技場」をつくることが可能となります。
ただし、高性能であることや高い施工精度が必要となるので、他の2種類よりもコストは割高となります。
したがって、ロングパイル人工芝が一般の家庭に使用されることはほとんどなく、サッカーなどのスポーツをおこなう施設で採用されるのが一般的です。
ショートパイル人工芝
ショートパイル人工芝は、パイルが短いことが特徴です。
パイルが短いことから、ロングパイル人工芝よりも衝撃吸収としての機能は劣るので、スポーツ時にはひざなどの負担は比較的大きくなります。なのでスポーツ関係の場合は、比較的動きのゆっくりなゴルフ練習場などで用いられています。もちろん、一般家庭のお庭に使うのにも適しています。
また、3種類のなかでは最もコストが安いです。
砂入り人工芝
砂入り人工芝は、ショートパイル人工芝と同じでパイルが短く、珪砂(けいしゃ)という鉱物の一種を充填していることが特徴です。
スポーツでは、テニスコートを中心に採用されているケースが多く、砂で隙間を埋めることで摩耗性や排水性などを高めることが可能となります。
ただし、滑りやすいので、慣れるまでは激しい動きは控えるほうがよいかもしれません。
このタイプもパイルが短いので、衝撃吸収としての機能はロングパイル人工芝よりも劣ります。
ロングパイル人工芝の施工方法について
ロングパイル人工芝の施工は、おもにスポーツ競技を行うことが前提となるので、とくに安全性やプレーへの影響を考慮する必要があります。
したがって、極めて高い完成精度が要求されることから、専門業者による施工が基本となります。
ロングパイル人工芝の施工方法について見ていきましょう。
下地工事
ロングパイル人工芝を施工には、高精度な測量をおこない安定した下地づくりが重要となります。
下地の多くはアスファルト舗装が採用されていますが、これは平滑で安定性の確保に適していることが理由です。
まずは設計図面に則って測量をおこない、正確な位置と高さを確定します。
位置と高さが判明すれば、重機を使用して地面を締め固め、そのうえに砕石を敷いてさらにしっかりと重機で締め固めて路盤を完成させます。
この締め固めの作業が非常に重要で、完成後に大きな衝撃が加わってデコボコが発生するようでは良くないので、ていねいかつ確実に行わないといけません。
そして路盤のうえにアスファルトを敷きならし、ローラー重機で平滑に締め固めます。
なお、近年においては、硬いアスファルトに代わって、平滑性と安定性を確保しながら、比較的柔らかい下地路盤をつくる技術の開発も進んでいます。
人工芝の敷き込み
下地が完成したら人工芝を敷き込みます。
ジョイント部分に隙間が生じることのないよう、接着剤や両面テープを使用して下地面と圧着します。
充填材の散布
人工芝の敷き込みが完成したら、パイルの間にある隙間部分に砂やゴムチップなどの充填材を散布します。
パイルの根元部分まで均等に充填されるよう丁寧に根気強く作業を行い、調整ができていることが確認できたら完成となります。
まとめ
ロングパイル人工芝は、スポーツ選手が安心して競技をおこなうためにつくられた人工芝です。なので家庭用ではなく、業務用の人工といえます。
なので、趣味で運動している方が、お庭にロングパイル人工芝を採用することはまずなく、また大掛かりな工事と専門の技術が必要となるのでDIYではまず不可能だと思います。
なお、弊社ではプロスポーツ用のロングパイルの販売、施工も取り扱っておりますので、導入を予定されている方はぜひお問い合わせください。電話は24時間365日対応可能で、メールでも受け付けております。お問い合わせいただきましても、営業電話などは一切いたしませんので、お気軽にご連絡ください。