最近一般家庭のお庭で大人気の人工芝は、ホームセンターは勿論の事、 様々な業者がインターネットを利用して【リアル人工芝】として販売しており、誰でも気軽に人工芝の購入が出来るようになりました。
特にインターネットでは人工芝の販売のみならず、敷き方や人工芝の豆知識など細かく説明されているため、これまであまり人工芝を扱ってこなかった庭師より、一般の方のほうが人工芝に関する知識がはるかに豊富な場合があります。
そのことはプロにとって厄介ではありますが、消費者にとってはとても良いことで、とくに人工芝の良し悪しの見極め方を理解していただく事によって、より良い品質の人工芝が手に入るきっかけとなります。
硅砂に関する正しい知識とは?
但し、気をつけないといけない事は、『ネットでの人工芝に関する情報がどこまで正しいのか?』という事です。
このブログもそうですが、人工芝に関する情報を載せているサイトは、自社のHPを充実させる目的であったり、自社製品の販売につなげるための情報だったりします。なので嘘ではないにしろ、大切な部分の説明が抜けていたり、たいした情報でなくても大げさに表現している場合があります。
「 FIFA認定 」と大々的にうたって、高品質な人工芝だと販売しているサイトをよく見かけます。でも実はFIFA認定はそれほど難しい認定ではなく、世界中で販売されている人工芝の多くはFIFAの認定をもっています。
たとえば料理屋に行って、『うちはちゃんと営業許可書をとっていますから』と自慢されているような物なのです。
逆に言えば、大々的にFIFA認定をうたって販売しようとしている会社の商品は、『それぐらいしかアピールができない商品』だと考えても過言ではありません。
「営業許可書をひたすらアピールしている料理屋の味なんて期待できないですよね?」でも残念ながら、当たり前のことを大げさにアピールしている人工芝業者は、インターネットの世界ではたくさん存在します。
さて、今回取り上げる硅砂(けいしゃ)についても、しっかり説明をしていないサイトが多いです。
お客様から『硅砂って入れないといけないんですか?』とか『見積もりに硅砂の値段も入っていますか?』といった質問をよく頂きます。話を聞くと、皆さんネットで施工方法のページを見て、人工芝の芝葉の中に硅砂を入れるという情報を知ったようです。
私もサイトを検索してみたところ、たしかに色々な人工芝のサイトで硅砂を入れると記載されています。
『人工芝に硅砂を入れる場合もある』ではなく、『硅砂を入れてトンボやブラシで慣らします』と書いてあるだけなのです。
これを何も知らない一般の方が見れば、人工芝の施工には硅砂は入れるのが当たり前だと思い込んでも仕方がありません。
硅砂を入れたほう良いのか、入れなくても良いのか?
これをしっかりと説明するならば、『野球場やサッカー場などで使用する、スポーツ専用の人工芝には硅砂を入れます。しかし、一般家庭に使用するような景観用人工芝(リアル人工芝)には、一部で入れる場合があります』というのが正しい表現です。
では、その一部とはどういった人工芝でしょうか?
硅砂を入れたほうが良い人工芝とは?
それは密度が低くてすぐにぺったんこに倒れてしまうような低品質の人工芝のことです
密度が低くスカスカの人工芝の場合は、芝葉と芝葉の間に硅砂を入れて芝葉を立たせるようにします。そうしないとすぐに芝葉が倒れて剥げてきてしまいます。
高品質な人工芝は、密度が高いため硅砂を入れなくても起立性が高く、しっかり立ちます。また、そもそも硅砂を入れる仕様になっていませんので、硅砂を入れようとしても上手く入りません。
その事を知ってか知らずかは分かりませんが、硅砂を入れるように書いてあるサイトで扱っている人工芝というのは、逆に言えば「 密度が低いので硅砂を入れてくださいね 」と、品質の悪さを教えてくれているのです。
ただし、芝の密度が高くても、硅砂を入れた方が良い場合はあります。
たとえば人工芝の上で何か運動をするような場合です。本来であれば、その競技にあったスポーツ用の人工芝を使用するのが最適です。しかし人工芝の上で本格的に運動をするわけでなく、予算もとれないといった理由から、観賞用の人工芝を希望されるお客様がいます。
ただスポーツ用に比べて、観賞用の人工芝は芝葉が細く、やわらかくて弱いため、スパイクなどで走り回ると千切れてしまう可能性があります。なのでそういった場合には、硅砂を入れて少しでも芝葉のダメージを軽減させます。
また、ボールを人工芝の上で転がすような場合も、人工芝の芝目によってまっすぐ転がらない可能性があるため、硅砂をいれて芝葉を垂直にする場合があります。(ちなみにゴルフの場合は、芝目がないグリーン専用の人工芝があり、硅砂は入れません)
このような情報が伝わらないまま、人工芝には硅砂を入れるのが当然なのだと勘違いしてしまう方が増えているのが残念でなりません。
硅砂を入れるデメリットとは?
尚、弊社が硅砂を入れたくない大きな理由(デメリット)は2つあります。
敷き替え(撤去)の際の手間と費用
1つ目は敷き替え(撤去)の際の手間と費用です。
人工芝はいつかは必ず敷き替え処分をしないといけない時が来ます。その際、芝葉に硅砂が入っていると、とんでもない重量になってしまうので、お客様自身で撤去するのはほとんど不可能です。
またサッカー場などと違って、お庭によっては重機などが入らない場合もあります。そうすると人力で行わないといけない上、剥がした人工芝と砂の処分代も合わせるとかなりのコストになります。
座り心地の悪さと汚れ
2つ目の理由は、芝葉の触り心地が悪くなる上、座ったりしたときに服が砂だらけになります。
よく人工芝の販売サイトでは子供が芝の上で楽しそうに寝そべっていたり、犬が走り回ったりしています。しかし、硅砂を入れた人工芝の上で子供や犬がゴロゴロしたりしたら体中に砂がついてしまいます。また、それが雨上がりだったりした場合は砂だけでなく汚れもついてしまいます。
そういった理由から、弊社では限界まで密度を上げて硅砂を入れない人工芝だけを取り扱っています。
色々と解説してきましたが、弊社も人工芝を販売しているサイトの一つとして、良い事も悪い事もしっかりお伝えしていきたいと考えています。もし人工芝に関してご不明な点や質問などがありましたら、お気軽に電話やメールをいただければ幸いです。
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