人工芝は施工後に縮みが生じることがあります。
特にホームセンターなどで販売されている安価な人工芝の場合、マットが薄くコーティング剤もSBR(合成ゴム)だったりすることから縮みが酷く、施工直後はピッタリだった人工芝が、数ヶ月で縮んで壁際や人工芝同士のジョイント部分に隙間が出来て線がはっきり見えてしまうことがあります。(縮みが酷い人工芝だと、10mに対して両サイド10cmくらい縮む場合があります・・・)
これは素人がDIYで行った場合だけではなく、庭師やエクステリアを扱うようなプロの外構業者がお金をもらって施工したような場合でもよくあるトラブルです。
弊社にも年に何件かはそういったトラブルで『お客様から苦情が来たのだけど原因が分からず、対処の仕方も分からないのでホームページを見て電話しました!』という相談があります。
では、そういった場合の対処法としてはどうすれば良いのでしょうか?
まず壁際などの場合は、施工の際に縮みを考慮して少し長め(壁に盛り上げるように)にしていておき、人工芝が縮んで安定してから改めて微調整する、というのがDIYで行う場合の後悔しない最善の策だと思います。(土のお庭で壁際までしっかりとピンが入るお庭の場合は、出来るだけ壁際でピンを多めに打っておいて頂くというのも良いかと思いますが、経験上、ブロックや家の基礎のコンクリートが入っていてピンが全く入らないといった場所の方が多いように思います。)
また施工を一気に行わず、人工芝を開封した後、水で『全体を濡らして乾かす』といった事を何度か繰り返した後、1週間ほど放置しておいて人工芝をある程度縮ませてから施工するといった方法もあります。
次に、人工芝と人工芝のジョイント部分ですが、こちらも施工直後は気にならなかったのに、数ヶ月で隙間があいてしまって下の防草シートが見えてしまっているという事が多々あります。
この原因は大きく2つです。
- 『人工芝の位置合わせの段階で縮みを考慮していないため、最初から隙間がベストな状態で人工芝を置いてしまった場合』
人工芝は、どのような高品質なメーカーの人工芝であっても多少縮みが発生します。
その為、施工時にベストな位置に人工芝を合わせてしまうとそこから縮みがでて、隙間が大きくなり線が出来てしまいます。人工芝は横方向に並べた場合、1cm置きに縫い目があります。その為、縮んだ状態でジョイント部分の縫い目が1cm程度離れていると繋ぎ目の線が見えにくく綺麗な見た目になります。
施工のポイントとしましては、逆に施工直後は縫い目同士の距離を少し狭めにしておく(2mm~5mm)ことです。
(※施工直後は縫い目同士の距離が近くて芝葉の密度が高くなるため、芝葉が盛り上がった感じで線が気になる場合もあります。)
- 『ジョイントテープもしくは接着剤を使用せずにU字ピンのみで施工している場合』
作業工程が増えるためなのか、あまりホームセンターでジョイントテープや接着剤が販売されているのを見かけることは少ないように思います。しかし、ちゃんとした業者が施工する場合は人工芝のジョイント部分の下に『ジョイントテープ』という片面テープか、もしくは『ジョイントシート』という40cm幅程度の防草シートのような物を敷き、そこに人工芝用接着剤を塗って人工芝同士を貼り合わせた上で、U字ピンなどで留めます。
この作業を行うことによって、大きく縮みを軽減する事が出来ますので、是非DIYで人工芝を敷く場合であってもジョイントテープもしくは接着剤の使用をおすすめ致します。
ではジョイントテープはどのように使用すればいいのでしょうか?
人工芝の仕上がりを綺麗にするために、ジョイントテープを貼るおすすめの手順を説明致します。
ジョイントテープは、人工芝と人工芝をつなげる際に使用する片面に糊がついているテープです。
したがって人工芝1枚のみでジョイントがない場合は使用する必要はありません。
また、ジョイントテープは正しい方法で使用することによってつなぎ目が目立たなくなるだけではなく、ジョイント部分がテープで厚くなることでスギナ、西洋タンポポ、ヒメシバなどの強力な雑草もより防止することができます。
その為、ジョイントテープを使用して継ぎ目をしっかりと接着するようにしましょう。
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※今回はジョイントテープを人工芝に貼る方法も解説していますので是非最後までご覧ください。またもし分からないことなどあれば【最上級人工-匠‐】までメールかお電話をいただけたらいつでも相談に乗りますのでお気軽にご連絡ください。
弊社でもジョイントテープを販売しています。
人工芝注文の際に一緒にお送りすることはもちろん、ジョイントテープのみでも販売はしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
尚、弊社では10m巻で1,400円(税別)で販売しております。
(※別途配送料が必要となる場合がございます。)
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【ジョイントテープを使って人工芝同士を繋げる場合の手順】
ジョイントの部分の人工芝のどちらか片方を軽くめくりテープが両方の人工芝にまたがるように差し込みます。(テープが動いて作業がしにくいようなら端を釘などで留めると作業がしやすいと思います。)
ジョイントテープを端まで差し込み終わったら、めくった人工芝を元に戻します。そして端からジョイントテープの糊面についている白い紙をめくって人工芝と人工芝の間の隙間から白い紙を10cmほど出します。
片方の手で人工芝やテープがズレないように地面にむかって人工芝とテープを押さえつけながら、もう片方の手で優しく白い紙を引き抜いていきます。
ポイント①
しっかり人工芝を地面に押しつけながら紙を抜いて下さい。テープがよれて人工芝が盛り上がる原因になり、またジョイントテープを綺麗に貼れないと縮みを抑える効果も弱くなります。
ポイント②
白い紙は人工芝の角などに擦れて千切れやすいです。引き抜いている途中で千切れた場合、大概は斜めに破れてしまうため、折角接着した人工芝を少しめくってから白い紙をめくるといった面倒な作業が必要となります。その際に、接着した物を一度剥がすため接着強度が落ちる上、テープがよれて余計な場所にくっついてしまい、どんどんシワシワになっていってしまう事があります。その為、なるべく千切れないように優しく人工芝の隙間から引き抜くようにして下さい。
最後は全体的に手で芝葉を撫でてなじませたらジョイントテープの作業は完了です。
【ジョイントテープが終わったら人工芝をU字ピンで固定】
ジョイントテープで人工芝同士を接続し終わりましたら、人工芝が縮んで隙間が出来るのを抑える目的と、風などでめくれたり飛んでしまわないように人工芝の周囲とジョイント部分にU字ピンもしくは丸くぎを使って固定します。
U字ピンを打つ時のポイントとしてU字ピンは単純に打ちこむと芝葉を巻き込んでピンがむき出しになってしまいます。これを防ぐために、軽くピンを打ち込んだ後まきこんだ芝葉をかき分けてから最後まで打ち込む事で、人工芝の芝葉の中にピンが隠れて目立ちにくくなります。
★ジョイント部分にU字ピンを打つ際のポイント★
固定する際は貼り合わせたジョイント部分をまたぐ様にU字ピンを打ってください。
場所によっては地中に石があって片方だけ曲がってしまって入らないといった事もあります。そういった場合は、丸釘(出来れば15cm)を使用して頂き、入る部分だけでも留めて頂くと良いと思います。
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今回のテーマとは直接関係はありませんが、人工芝をDIYで敷いた後にジョイント部分の線が目立つだけでなく全体的に色が違って見えるとのご相談を頂く事があります。
お写真を拝見すると確かに手前の人工芝と奥の人工芝の色の濃さが全然違います。
そういった場合の原因は、人工芝の芝目の向きが合っていない事がほとんどです。
人工芝には必ず芝目というものがあり、全て同じ方向(例えば人工芝のロールを南から北にのばした場合は全て南から北にのばす)に芝目を向けないと全く色が変わって見えてしまいます。ゴルフ場やサッカー場で天然芝が縞々に見えることがあるかと思いますが、あれは天然芝をカットする機械が例えば南から北に向かって芝刈り作業を行った後、今度は北から南に向かってカットしながら戻ってくるため芝目の方向が変わるため、色味が変わり縞々に見えるようになります。
人工芝もそれと同じで芝目の方向が変わると色が変わって見えてしまいます。
特にDIYで人工芝を敷く際に多いのが、端っこなどの足りない部分を人工芝の端材を使って継ぎ接ぎにしたような場合です。
芝目を気にせず、『丁度良い大きさの端材があったから!』と施工し、あとで「なんかあの部分だけ変な色をしていないか??不良品かなぁ??」となってしまう事があるので必ず芝目を合わせてジョイントしましょう。
DIYで人工芝を敷く手順については過去のブログに記載してありますのでご覧ください。
DIYで人工芝を敷く際の手順について知りたい方はこちらをクリック
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◎敷き方まとめ
・人工芝の位置を決める
・接続したい人工芝の片方を軽くめくる
・人工芝のつなぎ目がジョイントテープの中心に来るように、テープを敷く
・めくった人工芝を戻し、人工芝同士の隙間からテープの糊面についた白い紙を出す
・上から手で押さえながら白い紙をゆっくり抜いていく
・継ぎ目部分を優しくなでてなじませる
・U字ピン(丸釘)をジョイントにまたがるように打ち固定する
【接着剤とジョイントシートを使う場合】
近年では失敗のリスクが少ないという理由から『ジョイントテープ』の使用が増えておりますが、元々はウレタン系の人工芝用接着剤を使用する方法が正式とされてきました。
弊社でも、幼稚園の園庭など大きなスペースで施工する際には、現在でも人工芝の繋ぎ目部分の下にジョイントシートを敷き、そこに人工芝用接着剤を塗って施工をしております。
人工芝用接着剤を使用する方がしっかりとくっつき、耐久性も高いというメリットがあるためです。
しかし、人工芝用接着剤の場合は、一度芝葉にひっつくと絶対にとることができず、芝葉がカチカチに固まってしまうという大きなリスクがあります。また、ジョイントシートに人工芝用接着剤を塗った後、30分程乾かしてから貼り合わせないといけないという手間もあるため、特にDIYなど人工芝の施工に不慣れな方が作業を行う場合は、あまりおすすめはしません。(人工芝用接着剤の場合、接着剤が余った際に処分に困るという事もおすすめしない理由です)
しかし、上手く施工が出来れば耐久性も高く、広範囲で施工する場合はテープよりも早く施工が出来ますので、どうしてもやってみたいという方のために下記に施工方法を記載致します。
◎人工芝用接着剤とジョイントシートを使って人工芝を接続する方法
- 人工芝の位置が決まったらジョイント部分の両方の人工芝の端を30cm程折り曲げます。(観音開きにします)
※この際、風などで戻ってしまわないようにU字ピンなどで仮止めしておくのも良いでしょう。
- 人工芝と人工芝の間にジョイントシートを敷きます。出来るだけ両方の人工芝に均等にジョイントシートの部分がかかるように敷いて下さい。
※人工芝用接着剤を塗った後に風でジョイントテープがめくれると大変な事になるため、釘やガムテープなどでジョイントテープがめくれないように留めて下さい。
- 接着する際に接着剤が芝葉に付くと二度ととれません。その為、芝葉に養生テープを貼ります。
- ジョイントシートに人工芝用接着剤を垂らします。
※開封直後は特に一気に大量の接着剤が出やすくトラブルになることが多いので、垂らし始める時と垂らし終わった際の糸のように伸びる接着剤には特に注意して下さい。一番芝葉などを汚してしまうタイミングです。
- ヘラで接着剤をジョイントシート全体に万遍なく塗り広げていきます。
※出来るだけ接着剤のダマが出来ないように薄く均等に塗り広げてください。接着剤が厚すぎると、接着後ジョイントの間や水抜き穴から接着剤が出てきてしまい芝葉を汚してしまいます。
- 接着剤をジョイントシートに塗り広げた後、時間をおいて乾かします。
夏は20分程度、冬は30分程度おいて軽く指で触ってもすぐに指につかない程度になったら接着可能です
- 観音開きになっていた人工芝を片方ずつ優しく戻します。
- 芝葉を挟み込まないように注意しながら、軽く人工芝を地面に押さえるようにして接着します。
※この時一気に強くおさえると接着剤が出てきてしまう場合があるため注意して下さい。
- 接着後少し時間をおいてから養生テープをはがしつつ、人工芝の芝葉をなでて馴染ませます。
- ジョイントをまたぐようにU字ピンを打ったら完了です。
接着力と耐久性が高いのは人工芝用接着剤です。
しかし、土のお庭の場合はU字ピンも合わせて使用する為、ジョイントテープでなんら問題はありませんし、失敗のリスクがないためテープをおすすめ致します。
もし屋上のようなU字ピンが打てないような場所に施工をする場合は、数年後の事も考えて人工芝用接着剤で施工して頂いた方が良いかもしれません。
今回はジョイントテープについてお話しました。
なぜジョイントテープが必要かご理解いただけたら幸いです。
他にもわからないことなどあればいつでもご連絡くださいね。